インクジェットプリンターの印字方式 スキャン方式とシングルパス方式について
スキャン方式
一般的にインクジェットをイメージするときに年賀状をプリントする家庭用プリンターを思い浮かべるかたが多いでしょう。プリンターのフタを開けるとインクジェットヘッドが左右に走りながら印刷し、紙が手前に出てくる動作を観察できます。これがスキャン方式の基本的な形です。弊社で扱う大判プリンターはこれが大型化したものです。
シングルパス方式
シングルパス方式とはヘッドが固定され印刷材料がその下を高速で流れていく方式です。
主にオフセットの代替として各社が開発している方式です。
スキャン方式の利点と課題
スキャン方式は、高精細な表現が得意なので、写真や繊細なグラフィックデザインを印刷するのに適しています。
最低数量のヘッドで製造することが可能なので、コストパフォーマンスが高いというメリットもあります。
その反面、1枚の印刷物を完成させるのに何度もヘッドを往復させる必要があるので、シングルパス方式と比較すると時間がかかります。
実は産業用のスキャン方式大判プリンターで使われている多くインクジェットヘッドは、シングルパス方式を目的に開発されています。
そのヘッドを横に高速移動させる工夫が必要となってきます。
そこをうまく作り込むのが大判プリンターメーカーの腕の見せどころです。
シングルパス方式の利点と課題
シングルパス方式は、ヘッドキャリッジを固定したまま、用紙が搬送されている間に印刷が終わるので、非常に高速な印刷が可能となります。
高い生産性が求められる分野に適しています。
その反面、搬送スピードと材料幅に応じたヘッドの数が必要となるため、どうしても高額になってしまうと言う課題があります。